公開日 3月5日
有田川で発見!-本州初記録のトラフボウズハゼ-
連絡先 教育委員会  教育庁文化遺産課
担当者 県立自然博物館 学芸員 國島
電話 073-483-1777
FAX --
E-mail
有田川で発見!
-本州初記録のトラフボウズハゼ-

 平成30年11月に和歌山県有田市有田川下流域で、これまで沖縄島以南でしか記録のなかったトラフボウズハゼ1個体が採集され、当館へ標本として寄贈されました。今回発見された個体は、トラフボウズハゼの標本に基づく北限かつ本州初記録となります。このたび、玄関ホールでこの貴重な標本を展示します。

【分類学的位置と名称】スズキ目ハゼ科トラフボウズハゼ
 学名:Stiphodon multisquamus Wu and Ni, 1986

【採集場所】和歌山県有田市辻堂有田川下流

【採集日】平成30年11月1日

【展示期間】令和3年3月5日(金)〜令和3年4月4日(日)

【発見者】田中良輔氏

【展示場所】自然博物館玄関ホール

【展示数】液浸標本1個 体掲載論文1点 解説パネル等

【備考・学術的意義】
・トラフボウズハゼは、南シナ海周辺に分布するハゼ類で、川で生まれた子どもは海に降りて育ちます。その後、ハゼの子どもは海流によって運ばれ、生まれた場所から遠く離れた川に遡上することもあると考えられています。これまで知られていた分布の北限は沖縄島でしたが、今回初めて本州から発見されました。
・採集者の田中良輔さん(当時、神戸大学大学院、修士1年生)は、佐藤拓哉准教授の指導のもと、有田川でハゼ類の生態について研究しており、平成30年に行われた野外調査中に今回の標本を採集しました。
・今回の発見について、当館の國島大河学芸員と沖縄科学技術大学院大学の前田健研究員が中心となって論文を執筆し、査読付学術雑誌「Species Diversity」に令和3年3月5日付けで掲載されました。

詳細は、添付資料をご確認ください。