公開日 12月9日
開催日 12月15日
     
和歌山県立医科大学記者発表 血中中性脂肪値を調節するメカニズムを解明
連絡先 福祉保健部 健康局 医務課
担当者 佐々木
電話 073-441-2085
FAX --
E-mail
 この度、和歌山県立医科大学からの記者発表を以下のとおり実施いたしますので、報道関係の皆様方のご参加賜りますようお願い申し上げます。

1.日時及び場所
 日時:令和3年12月15日(水)10:00〜(約20分+質疑)
 場所:和歌山県立医科大学 生涯研修センター研修室(図書館棟3階)
 発表者:本学医学部 解剖学第一講座 教授 金井 克光、助教 伊藤 隆雄

2.発表の概要
 血糖値が上昇するとインスリンが分泌されて血糖値を下げますが、上昇した血中中性脂肪を下げるホルモンは知られていません。他方、性ホルモンであるエストロゲンには摂食行動や脂肪合成を抑制し、脂肪の消費や脂肪組織への蓄積を促進する役割もあり、閉経後の女性は脂質代謝の変調により動脈硬化や腎不全のリスクが高まります。また、本講座前任の上山敬司教授は胃がエストロゲンを分泌することを見いだしましたが、その生理的意義は長年不明でした。
 今回私たちは、血中中性脂肪が上昇すると胃からエストロゲンが分泌されることを見いだしました。これは血中中性脂肪が上昇すると、胃から分泌されたエストロゲンが脂肪の供給を抑えると同時にその消費や脂肪細胞への蓄積を促進することで血中中性脂肪を下げることを意味します。私たちの結果は脂質代謝の全く新しいメカニズムを提唱し、エストロゲンが関わる様々な疾患への理解や新たな治療法の開発につながることが期待されます。(本研究成果は2021年12月7日に、国際誌Communications Biologyに掲載されました)