公開日 2月28日
開催日 3月4日
     
和歌山県立医科大学記者発表 新型コロナウイルス感染症の剖検肺組織の解析
連絡先 福祉保健部 健康局 医務課
担当者 佐々木
電話 073-441-2085
FAX --
E-mail
 この度、和歌山県立医科大学からの記者発表を以下のとおり実施いたしますので、報道関係の皆様方のご参加賜りますようお願い申し上げます。

日時及び場所
 日時:令和4年3月4日(金)10:00〜(約10分+質疑)
 場所:和歌山県立医科大学 生涯研修センター研修室(図書館棟3階)

発表者
 本学医学部 分子病態解析研究部 教授 橋本 真一、助教 岩淵 禎弘
 外科学第2講座 教授 山上 裕機

発表の概要
 新しいウイルス性肺炎であるコロナウイルス病2019(COVID-19)の発生が世界で報告され、COVID-19肺病変に関する多くの研究が世界中で行われていますが、実際の病理診断で最も頻繁に使用されるFFPEサンプルを使用した詳細な研究はまだ実施されていません。本研究は、新型コロナウイルス感染症により県内で初期に亡くなった方のFFPEサンプルを用いて肺葉の様々な部分の異なる特徴を分析する報告です。我々は、免疫細胞の関与やサイトカインストームのメカニズムなど、いくつかの貴重な新しい情報を提示していますが、最も興味深いのは、COVID-19感染時の基底細胞過形成のメカニズムを発見したことです。コロナウイルスの発現パターンと、ケラチン5-またはアクアポリン3-を発現する基底細胞の増殖との関係が、この病態の生理学的機能に関与していました。この研究は、COVID-19患者の肺葉を包括的に分析し、軽度から重度の炎症を伴う肺微小環境における細胞および分子の違いからコロナウイルスの感染過程における新たなメカニズムを推察するものです。今後、この研究を利用し新たな治療法を確立出来ればと考えております。
(本研究成果は2022年 2月16日に、国際誌Frontiers in Medicineに掲載されました)