公開日 8月5日
【県立博物館】かつらぎ町滝・極楽寺への「お身代わり仏像」の奉納について
連絡先 教育委員会  教育庁文化遺産課
担当者 【県立博物館】 学芸課 島田和
電話 073-436-8670
FAX --
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 県立博物館では、県立和歌山工業高等学校、和歌山大学教育学部等の教育機関の協力を得て、3Dプリ
ンターを用いた文化財の精巧な複製を作り、文化財の防犯や防災の対策への活用を図っています。高齢化や
人口減少などの要因により、管理や保全が困難になっている地域の寺社にある文化財を博物館で保管し、か
つ、信仰されてきた環境を維持するための取り組みで、平成24年度から令和3年度までに、県内17か所の寺
社に32体の「お身代わり仏像」を安置しています(※今回奉納分を含むと18か所・33体)。
 このたび、昨年から博物館でお預かりしているかつらぎ町滝・極楽寺の菩薩半跏像のお身代わり仏像が完
成し、下記日程にて奉納することとなりましたので、お知らせします。
 現地には、製作に携わった県立和歌山工業高等学校の生徒、そして今回着色作業を行った極楽寺近隣に
位置する県立笠田高等学校の生徒が訪れ、完成したお身代わり仏像を地域住民の代表者にお渡しし、交流
を図ります。
 なお、今回の奉納は、生徒が地域の方々と交流を行うことで、学びをより充実したものにするとともに、住民
の方々にお身代わり仏像を身近に感じていただく機会とすることを目的としています。

 日時    令和4年(2022)8月10日(水) 14時開始(15時終了予定)
 場所    極楽寺(伊都郡かつらぎ町大字滝807番地)
         ※「道の駅 くしがきの里」より車で約10分。車は近隣の北辰妙見神社手前の広場に駐
         車してください。道が狭いので、十分注意してお越しください。
 奉納像    極楽寺・菩薩半跏像の、3Dプリンターで製作したお身代わり仏像1体
 参加者(予定) 滝区住民及び関係者、県立和歌山工業高等学校産業デザイン科生徒・教員、県立笠田
         高等学校美術部生徒・教員。(一般の方のご参加はご遠慮いただきます。)
 内容        極楽寺へのお身代わり仏像の奉納。生徒と地域住民の交流。
 当日連絡先     073-436-8684(博物館学芸課)
        取材希望の場合はあらかじめご連絡ください。取材は最小限の人数でお願いします。

 菩薩半跏像 極楽寺蔵 
 銅造 像高22.0cm 飛鳥時代・7世紀 重要文化財
 かつらぎ町滝の極楽寺本尊・如意輪観音半跏像(江戸時代)の胎内から、昭和39年(1964)に発見された
金銅仏。脚部周辺の鋳肌に荒れが生じており、かつて本尊が火災にあいながらも、大切に守り伝えられてきたこと
がうかがわれます。飛鳥時代には、組んだ足を片膝にのせ指を頬に当て、思惟の様を表す半跏思惟像が流行しまし
た。細くしなやかな身体は朝鮮半島・三国時代の作例に見られるもので、そうした請来像をもとに造像された類例
から、本像も飛鳥時代7世紀中頃に日本で造像された作例と推測されます。県内最古級の仏像として、重要文化財
に指定されています。