わかやま県政ニュース

「第108回関西広域連合委員会」及び「関西広域連合議会令和元年８月定例会」の結果について

連絡先	知事室　　政策審議課
担当者	木村・城
電話	073-441-2075
FAX	--
E-mail

令和元年８月29日、標記委員会（参加府県知事・市長で構成）及び標記定例会が開催されました。主な結果については、下記のとおりです。

Ⅰ　第108回関西広域連合委員会の結果概要について

１　関西広域環境保全計画の改定について
計画期間が本年度末までとなっている「関西広域環境保全計画」の改定案について、三日月広域環境保全担当委員から説明があり、原案のとおり、承認されました。
同案では、引き続き、温室効果ガスの排出削減や野生鳥獣の保護・管理、生物多様性の保全等に取り組むこととしています。
同案については、今年11月にパブリックコメントを実施する予定です。
　
２　関西地域カワウ広域管理計画の改定について
計画期間が本年度末までとなっている「関西地域カワウ広域管理計画」の改定案について、三日月広域環境保全担当委員から説明があり、原案のとおり、承認されました。
同案では、関西地域全体のカワウ被害を総合的かつ効率的に減らすため、引き続き、モニタリング調査やカワウ対策検証事業に取り組むこととしています。
同案については、今年11月パブリックコメントを実施する予定です。

３　「消費者庁　新未来創造戦略本部」の徳島県への設置について
本年８月１９日、令和２年度からの消費者庁の恒常的拠点として、「消費者庁　新未来創造戦略本部」の徳島県への設置が発表された旨、飯泉委員から報告がありました。

（参考）
日時：令和元年８月29日（木）10時50分～11時50分
場所：（堺市堺区）フェニーチェ堺

Ⅱ 関西広域連合議会令和元年８月定例会の結果概要について
　　　　　　　　　
１　本県関係出席者
（１）理事者
下副知事（広域職員研修担当副委員、広域農林水産担当副委員）
田村総務部長（広域職員研修局長）
角谷農林水産長（広域産業振興局農林水産部長）

（２）本県議会選出の広域連合議会議員
岩田弘彦議員、奥村規子議員、浦口高典議員、井出益弘議員

２　主な決定事項
（１）議案
・平成30年度関西広域連合一般会計歳入歳出決算認定の件
・令和元年度関西広域連合一般会計補正予算（第１号）の件
　
３　下副知事の答弁
（１）質問者：迫祐仁議員（京都府）
【質問要旨①】
関西広域連合は東京一極集中の是正、国土の双眼構造の転換を図るため、北陸新幹線及びリニア中央新幹線の早期開業を求めているが、全てが大阪中心の大規模開発として進められている。
関西広域連合は、沿線自治体で生じる住環境や水環境をはじめ様々な問題などについては関係ないという姿勢で臨まれるのか、所見を伺う。

【答弁要旨①】
北陸新幹線やリニア中央新幹線などの広域インフラ整備は、大阪だけではなく関西広域に人的交流と経済効果をもたらす国家的プロジェクトであると認識している。
新幹線の整備にあたっては、環境影響評価法に定められた手続きに則り、騒音、水質、文化財、生態系などについて、建設主体による環境アセスメントが実施されることになっている。
関西広域連合としては、北陸新幹線の敦賀・大阪間の整備にあたり、環境アセスメントを地元調整も含め丁寧かつ迅速に進めるよう、国等に対して要望しているところ。
引き続き、環境アセスメントが適切に実施されるよう要望していくとともに、１日も早い大阪までの全線開業を強く訴えていく。

【質問要旨②】
北陸新幹線の整備費用について、北陸３県の地元負担は当初の計画をはるかに上回っており、県民からも批判の声が上がっている。
関西広域連合は、これまでの例から建設が進むことにより費用負担が増大し、地元自治体の財政に大きな負担を与えるという認識はあるのか、所見を伺う。

【答弁要旨②】
北陸新幹線の敦賀・大阪間の整備にあたっては、全国新幹線鉄道整備法及び同施行令に基づく沿線自治体における一定の負担は必要と認識している。
一方で、本年６月には、国の財政制度等審議会から、整備新幹線の整備に係る財源の確保について、ＪＲが支払う貸付料の支払期間を現行の３０年から５０年に延長すべきとの見解が示されるなどの動きがある。
今後、国において、財源確保についての議論が進むと期待している。関西広域連合としては、沿線自治体に過度の負担が生じないよう、引き続き国等に対して強く働きかけていく。

【質問要旨③】
関西広域連合は、北陸新幹線敦賀・大阪間の整備に伴う並行在来線は存在しないと主張しているが、湖西線などは並行在来線と同じ扱いになるのではないか。
また、北陸新幹線が延伸する中で、特急サンダーバードが金沢駅止まりとなり、乗り換えが必要となるなど、不便な事態が生じている。関西広域連合として、こういった不便な事態が起きるということは認識しているのか、所見を伺う。

【答弁要旨③】
関西広域連合としては、湖西線を含め、敦賀・大阪間の整備に伴う並行在来線は存在しないと考えており、国等に対しても、国の予算編成等に対する提案や、北陸新幹線建設促進のための中央要請において、この考え方を確認するよう強く要請しているところ。
また、金沢・敦賀間の開業から大阪まで全線開業するまでの間、北陸・関西間の円滑な流動性を確保するため、在来線特急の運行本数の維持・拡大による待ち時間の短縮や、敦賀駅での乗り換え利便性の確保等についても、要望している。
こうした中、敦賀駅では、金沢・敦賀間の開業に伴い、新幹線ホームの下に在来特急ホームを設ける「上下乗り換え施設」を整備することとしている。
関西広域連合としては、敦賀・大阪間に並行在来線は存在しないことや、敦賀駅での乗り換え利便性確保等について、引き続き、強く主張していく。

【再質問要旨】
建設費が膨らんでいくこと、文化財の破壊などが生じることを考えると、北陸新幹線の整備について、一旦立ち止まって計画を見直すことが必要ではないか、所見を伺う。

【答弁要旨】
関西広域連合では一日も早い実現を目指すと合意しているところであり、従来どおり進めてまいりたい。

（２）質問者：岩丸正史議員（徳島県）
【質問要旨】
関西広域連合として、域外からの移住就農者を呼び込むため、就農相談窓口を設け、域内の多様な農業の魅力を発信するとともに、例えば、首都圏の大学生インターンシップを共同で募集するなど、構成府県市が連携して移住就農の取組を推進してはどうかと考えるが、所見を伺う。

【答弁要旨】
農業者の減少・高齢化が進む中、地域農業の維持、発展を図るためには、議員ご指摘のとおり、担い手の育成と確保が重要な課題であると認識している。
このため、各構成府県市では、農業大学校のほか、インターンシップを含めた各種研修や就農相談会を実施しているところ。
加えて、地域の実情に応じた取組もそれぞれに実施しており、例えば徳島県では、新規就農者が指導農業士等から農業技術や農地の確保など　についてマンツーマンで指導・助言を受けられる農業チューター制度などの就農支援を行っている。
関西広域連合では、こうした施策を一元的に発信するため、就農相談窓口として支援情報を掲載した「就農促進サイト」を開設している。
また、昨年度は首都圏等で開催された新・農業人フェアや農業参入フェア、移住フェアなど１２のイベントで情報発信を行ったところ。
今後も引き続き、構成府県市と連携し、域外も含めた就農希望者に対してそれぞれの農業の魅力や就農支援情報を一元的に発信し、新規就農者の確保に取り組んでいく。

（３）質問者：西川憲雄議員（鳥取県）
【質問要旨①】
直売所のマッチング事業については、事業が始まって５年が経過したが、どのような中間評価をお持ちか。
また、今後の後半５年間に向けた課題やビジョンの修正点など、所見を伺う。

【答弁要旨①】
直売所の交流については、事業を開始した平成２５年度以降少しずつではあるが、年々増加している。
交流に参加した直売所からは、「特産の農産物を広くＰＲすることができた。」あるいは「交流により品揃えが良くなり来店者数が増えた。」といった声が寄せられている。
また、こうした交流をきっかけとして、京都府の直売所から和歌山県の直売所へ年末贈答用のみかんが大量発注されるなどの成果があったところ。
しかしながら、これらの交流の多くは毎年同じ直売所同士が行っている傾向があり、新たな直売所の参加が少ないことが課題と考えている。
そのため、今後は、構成府県市を通じて、各直売所に対し実際の成功事例を具体的に示す等の工夫をしながら参加を呼びかけるなど、直売所間の交流の拡大に向け、関西広域農林水産業ビジョンに基づきしっかりと取り組んでまいりたい。

【質問要旨②】
マッチングサイトを見ると、現状では買いたいという商品の情報はほとんどなく、サイトが有効に活用されているとは言い難い。
このサイトの活用と共に、新たなマッチングの取組が必要ではないかと考えるが、所見を伺う。

【答弁要旨②】
議員ご指摘のとおり、直売所マッチングサイトでは、買いたい商品の情報が少ないというふうに認識している。
その理由として、サイト参加直売所から「直接会ったことがない人とサイト上で売買条件や交流イベントを調整することには抵抗がある。」といった意見を聞いている。
こうした意見に対応するため、関西広域連合では、直売所の要望に応じて、サイトを使わずに府県市の職員による調整も行っている。
また、平成３１年１月には、域内の直売所同士が特産品を持ち寄って商談会も開催したところ。
今後も、直売所からの様々な意見や要望に対し、柔軟に対応しながら、直売所間の交流の強化に取り組んでいく。

【再質問要旨】
直売所のマッチング事業の実績を見ると、参加する直売所は固定化されており、事業の対象を直売所に限定にしているところに限界があるのではないかと感じる。
一方で、個人生産者や新規就農者など、小規模な生産者は都会や他県の直売所へ定期的に卸すといったつながりが作りづらく、販路拡大に頭を悩ませている。
また、マッチング事業の場合、生産者が直売所に持ち込む際の手数料に加え、販売先となる直売所に対して手数料が発生すれば二重の手数料が発生し、採算が取れなくなる。
事業の広がりを考えたき、本当に意欲的な生産者や新規就農者に参加してもらった方がいいと思うが、こういった方々を上手く取り入れる工夫が考えられないか、所見を伺う。
　　
【答弁要旨】
関西広域連合では、構成府県市での取組との棲み分けを図るために、地産地消の核となる直売所間の交流を進めており、議員ご提案の個々の生産者に対する販路拡大への支援につきましては、それぞれの府県市において対応するものと考えている。
なお、議員から「マッチング対象を直売所に限定しているところに限界があるのではないか」との指摘があったが、関西広域連合では、直売所間の交流だけでなく、直売所から学校給食や社員食堂への供給についても推進している。
例えば、給食関係では、和歌山県のしょうがを徳島県へ、京都府の万願寺とうがらしを和歌山県へ供給するための調整を行ったところ。
また、企業の社員食堂では、(株)クボタ本社で鳥取県や徳島県、和歌山県の食材を使った「社食イベント」を実施したところ。
今後も、直売所間の交流はもとより、学校や企業とのマッチングについてもさらに拡大してまいりたい。
それから、手数料が二重に取られることで採算が合わないとの指摘があったが、私が聞いている範囲では、手数料は二重に取られていないとのことである。

４　本県選出議員（浦口高典議員）の一般質問
【質問項目】
１　人口減少地域における地方分権のあり方について
２　「健康長寿世界一KANSAI」について
（１）広域連合内での情報共有と実践について
（２）2025年大阪・関西万博で「健康長寿世界一KANSAI」アピールについて

（参考）
日時：令和元年８月29日（木）13時00分～18時25分
場所：（堺市堺区）堺市議会議場