わかやま県政ニュース

和歌山県立医科大学記者発表

連絡先	福祉保健部　健康局　医務課
担当者	佐々木
電話	073-441-2083
FAX	--
E-mail

この度、和歌山県立医科大学からの記者発表を以下のとおり実施いたしますので、報道関係の皆様方のご参加賜りますようお願い申し上げます。

○日時及び場所
　日時：令和３年6月28日（月）　
　　　　　(1)11：00～（約20分＋質疑）
　　　　　(2)11：30～（約15分＋質疑）
　場所：和歌山県立医科大学（和歌山市紀三井寺811-1）
　　　　　生涯研修センター研修室（図書館棟３階）

(1)COPA症候群（遺伝性の炎症性疾患）の病態を反映する新規モデルマウスを樹立
・発表者
　本学医学部先端医学研究所生体調節機構研究部　大学院生　加藤　喬
　本学医学部先端医学研究所生体調節機構研究部　教授　改正　恒康

・発表の概要
　COPA症候群は、間質性肺炎や関節炎を呈する遺伝性の炎症性疾患で、細胞内におけるタンパク質の輸送を担う遺伝子 (COPA) のアミノ酸置換をきたす遺伝子バリアント（遺伝子の違い）が原因であることはわかっていますが、病態は不明で治療法も確立されていません。
　今回我々は、京都大学大学院医学研究科発達小児科学の井澤和司先生らと共同で、COPA症候群患者由来の新規の遺伝子バリアントを導入したマウスから、間質性肺炎が発症すること、そして樹状細胞において、Ⅰ型インターフェロンという炎症に関与する物質が過剰に産生されることを明らかにしました。
　今後このマウスの解析を進めることで、樹状細胞機能を制御する新たなメカニズムの解明、および、COPA症候群や間質性肺炎に対する新たな治療法の開発が進むことが期待されます。（本研究成果は2021年5月13日に、国際誌Arthritis & Rheumatologyにオンラインで掲載されました。）

(2)外生殖器の性が揺らぐ仕組みを発見
・発表者
　本学医学部　先端医学研究所　遺伝子制御学研究部　准教授　鈴木　堅太郎
　本学医学部　先端医学研究所　動物実験施設　　　　　准教授　磯野　協一

・発表の概要
　生物には、男性（雄性）、女性（雌性）の２つの性があり、外生殖器は性を決める重要な器官です。
　今回マウスをモデルとした研究から、外生殖器の雄性化に必要な遺伝子群を同定し、その発現制御領域の特徴を次世代シーケンサーにより解析したところ、外生殖器発生過程には性が女性型/男性型のどちらの性にもなりうる不安定な時期があること、さらにこの不安定なゲノム環境の形成に必要な条件を同定しました。本研究は、外生殖器はどちらの性にもなりうるバイポテンシャルな器官であることをゲノムレベルで明らかにした世界初の研究であり、性の多様性を理解する上で大きな一歩となる成果です。（本研究成果は2021年6月7日米国科学アカデミー紀要Proc Natl Acad Sci U S A.に掲載されました。）

参加者の駐車スペースについては、管理棟前の来客用駐車場を開放しますので、ご利用ください。