登録要件
福祉有償運送を行うためには、次の要件を満たす必要があります。
1 運送主体(福祉有償運送の登録申請者)
営利を目的としない法人・団体に限られています。
- NPO法人
- 一般社団法人又は一般財団法人
- 地縁団体(地方自治法における認可団体に限る)
- 農業協同組合
- 消費生活協同組合
- 医療法人
- 社会福祉法人
- 商工会議所
- 商工会
- 営利を目的としない法人格を有しない社団(代表者の定めがあり、かつ、当該代表者が道路運送法第79条の4第1号〜3号のいずれにも該当しない者であること)
2 運送の対象
他人の介助によらず移動することが困難であると認められ、かつ、単独でタクシー等の公共交通機関を利用することが困難であるとして会員として登録された次に掲げる者及びその付添人に限られています。
- 身体障害者福祉法第4条に規定する「身体障害者」
- 介護保険法第19条第1項に規定する「要介護認定を受けている者」
- 介護保険法第19条第2項に規定する「要支援認定を受けている者」
- その他肢体不自由、内部障害(人工血液透析を受けている場合を含む。)、知的障害、精神障害その他の障害を有する者
※ その他の障害とは、自閉症、学習障害などの発達障害を含みます。
3 福祉有償運送を行う必要性
福祉有償運送を実施するには(更新時も含む)、運営協議会での協議が調っていることが要件となります。運営協議会では申請団体が福祉有書運送を実施する必要性があるかどうかを下記事項等で判断します。
- 福祉有償運送を行おうとする区域における要介護者,身体障害者その他移動制約者の状況
- 福祉有償運送を行おうとする区域におけるタクシーの台数,福祉タクシーの台数及びこれら福祉タクシーを含む公共交通機関が行う移動困難者の輸送の状況
- 福祉タクシー券の利用状況
- NPO等による移動制約者に対する輸送サービスの活動状況 等
4 運送の区域
運送の区域は,旅客の発地又は着地のいずれかが運営協議会の管轄区域内にあることが要件となります。
5 使用車両
福祉車両
次の2種類4タイプです。
リフト |
スロープ |
リフトアップシート |
回転シート |
乗車定員が11人未満の自動車(セダン型車両)
使用に当たっては、各地区福祉有償運送運営協議会が定める取扱い等に留意してください。
使用車両は、運送主体が使用権限を有していることが必要です。
使用権限とは、
(1)車検証の使用者の欄に運送主体である法人名が記載されているもの
(2)貸借契約を締結した書面が作成されているもの
留意事項
1 使用車両には、自動車の両側面に次の事項を表示しなければなりません。
イ)登録を受けた法人の名称
ロ)「有償運送車両」の文字
ハ)登録番号
※文字の大きさは縦横それぞれ5センチメートル以上です。
6 輸送の安全及び旅客の利便の確保のために必要な措置
運転者の要件
次に該当する運転免許等が必要です
1 福祉車両
(1)普通第2種免許
(2)普通第1種免許
※普通第1種免許の場合は、国土交通大臣が認定する「福祉有償運送運転者講習」又は(社)全国乗用自動車連合会等が実施する「ケア輸送サービス従事者研修」を修了した者であること。(ただし、運輸支局への申請から遡って2年間に運転免許停止処分を受けていないこと。)
2 セダン型車両
「1 福祉車両」の(1)又は(2)の要件に加え、次のいずれかの要件を備える運転手、又はいずれかの要件を備える者を乗務させる必要があります。
(1) 介護福祉士の登録者
(2) 国土交通大臣が認定する「セダン等運転者講習」を修了した者
(3) (社)全国乗用自動車連合会等が実施する「ケア輸送サービス従事者研修」を修了した者
(4) 介護員養成研修の修了者
運行管理者の選任
自動車5台以上(持込車両を含む)を管理する事務所がある場合は,その事務所ごとに自動車数に応じて下記の要件を満たす運行管理責任者の選任が必要となります。
要 件 | 台 数 | 責任者必要数 |
---|---|---|
道路運送法の運行管理責任者資格証の交付を受けた者 | 5〜39 | 1人 |
40〜79 | 2人 | |
@ 旅客自動車運送事業運輸規則第48条の12の受験資格者 A 道路運送法施行規則第9条の9第1項の要件者 B 国土交通大臣が@Aと同等以上の能力を有すると認める者 |
5〜19 | 1人 |
20〜39 | 2人 | |
40〜59 | 3人 |
※@は(独)自動車事故対策機構が実施する「基礎講習」受講により受験資格の取得が可能です。
※Aは所管の警察署長経由で公安委員会に安全運転管理者の選任届を提出し,管理者証の交付を受けます。
※Bは内容が未定です。
整備管理者の選任と整備管理体制の整備
整備管理責任者となる者の法令の要件は特にありませんが,選任し整備管理体制を整備する必要があります。
事故の対応に係る責任者の選任と連絡体制の整備
事故の対応に係る責任者の選任と連絡体制について整備する必要があります。
苦情処理体制の整備
苦情処理体制について整備する必要があります。
7 損害賠償措置
次の基準に適合する任意保険(共済を含む)の契約が必要です。
- 対人賠償の限度額が1人につき 8,000万円以上
- 対物賠償の限度額が1事故につき 200万円以上
- 運送主体の法令違反が原因の事故について、補償が免責となっていないこと
- 保険期間中の保険金支払額に一定割合の負担額その他の制限がないこと
- すべての福祉有償運送自動車について契約を締結すること
※登録中は(1)から(3)を常に維持しなければなりません。
8 運送の対価(料金)
運送する地域におけるタクシーの上限運賃の概ね1/2の範囲内で、各団体が設定してください。適用できるタクシーの上限額については、各地区福祉有償運送運営協議会に諮る前に、和歌山運輸支局輸送担当にお問い合せください。
TEL: 073−422−2138
種類 | 運送の対価 | 運送の対価以外の対価 |
内容 | 運送サービスの利用に対する対価 | 運送サービスと連続若しくは一体として提供される役務の利用又は設備の利用に対する対価 ア 迎車回送料金 イ 待機料金 ウ その他 介助料(乗降介助に関する部分に限る)、添乗料、ストレッチャー、車いす使用料等の設備使用料など |
設定方法 | 距離制、時間制、定額制 その他地域の実情に応じた設定 |
対価の額、適用する場合の基準を明確に定める |
基準 | 燃料費等を勘案して実費の範囲内であること、合理的な方法により定められ、旅客にとって明確であること、営利を目的としているとは認められない妥当な範囲内であり、運営協議会で協議が調っていること | 燃料費等を勘案して実費の範囲内であること、合理的な方法により定められ、旅客にとって明確であること、営利を目的としているとは認められない妥当な範囲内であり、運営協議会で協議が調っていること |
当該地域におけるタクシーの上限運賃の概ね1/2の範囲内 | 実費の範囲内 | |
複数乗車(注) | 最大乗車定員(又は平均乗車定員)の場合の対価の総額がタクシーの概ね1/2の範囲内 | 実費の範囲 |
※ 国自旅第144号「自家用有償旅客運送者が利用者から収受する対価の取扱いについて」参照
9 欠格事由
道路運送法第79条の4第1号から第4号までの欠格事由に該当している場合は、登録が拒否されます。
「登録」を受けるには下記の要件を満たしたうえで,運営協議会での協議が調っていることが必要です。