指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)入所指針の概要
入所指針はこちらです。
◆ 指針策定の背景
 介護保険制度の導入により、全国的な状況と同様に本県においても指定介護老人福祉施設〔特別養護老人ホーム(以下「施設」という。)〕への入所申込者(入所待機者)が急増しました。
これには、次のようなことが要因として考えられています。

(1)従来の「措置制度」から「契約制度」に変わり、要介護1以上であれば誰でも直接施設へ申込みができるようになったこと
(2)長期間待機を強いられるという不安感から、将来を見越しての予約的な申込みや重複申込みをされる希望者が多いこと
(3)利用者負担の割安感

 これまでの、原則申込み順で待機するという従来の方法では、何らかの理由で在宅での生活が困難となり、入所が必要となった場合であっても、直ちには入所できない等の状況も生じていたために、平成14年8月、国において施設の運営基準が改正され「施設は介護の必要の程度及び家族等の状況を勘案し、入所の必要性が高い申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない」と規定されました。
 これを受け、本県においても入所決定の透明性、公平性が保たれた新たな優先入所の枠組を定めるための検討が必要となりました。
◆ 指針策定の目的 
 県内の施設及び市町村等において運用される入所選考にかかる統一的な基準及び手続を定め、透明性、公平性を確保するとともに、入所の必要性が高い申込者が優先的に入所できるようにすることで、施設サービス利用にあたっての入所申込者の安心感を確保することを目的とします
◆ 策定主体 
 入所指針作成検討会の設置
  構成メンバー : 県、市町村、県老人福祉施設協議会、県社会福祉協議会、
             県介護支援専門員協会の各代表者
◆ 指針の概要 
(1)施設における入所検討委員会の設置
 各施設は、施設職員と必要に応じて施設職員以外の第三者を加えた合議制の入所検討委員会を設置し、入所順位の決定を行います。

(2)入所順位の決定基準
 入所順位の決定にあたっては、「基本的評価基準」と「個別的評価事項」を用い、入所申込者の入所の必要性を総合的に評価します。

 【基本的評価基準】
 @要介護度    介護保険被保険者証に記載されている要介護度。
 A痴呆の程度   認定調査票に記載されている痴呆性老人の日常生活自立度。
 B介護者の有無  入所申込者を在宅で介護する家族等の有無。
 C在宅サービス  サービス利用票別表に基づく支給限度基準額とサービス利用の利用率額の単位の割合。
 【個別的評価事項】
 性別、ベッドの特性、施設の専門性、家族の介護量や経済的理由により在宅サービスの利用度が低位な人に対する配慮、入所申込者の居住地に対する配慮、遠隔地の利用者を親族の居住地付近の施設に入所させる場合の配慮、既入所申込者(指針施行前の待機者)に対する配慮、その他特別に配慮すべき個別事情。

入所検討委員会は、上記について総合的に評価し入所の優先順位を決定します。
◆ 介護支援専門員の関与 
 入所申込者又は家族は、入所申込時に介護支援専門員の意見を付した「入所調査票」を添えて施設に申し込むこととしています。
 そのため、居宅介護支援事業所又は施設等の介護支援専門員は、この「入所調査票」に必要な事項を客観的な立場から記入していただくことになります。
 入所検討委員会は、この介護支援専門員の意見も考慮した上で、入所順位決定に当たっての評価を行うことになります。
 また、介護支援専門員は申込者に対する情報提供等必要な援助を行うことになります。
◆ 指針施行により期待される効果
 (1)入所にかかる具体的基準や手続を明確化することで、施設サービス利用者の理解が得られやすくなり、先を見越して予約的に申し込まなければいつまでたっても入所ができないといった不安を払拭し、必要性が高い時には優先的に入所ができるという安心感をもっていただけます。 

(2)合議制の入所検討委員会において入所選考が行われることにより、入所にかかる手続の透明性・公平性が確保されます。

(3)入所の申込み時に専門的見地から入所申込者の状況を把握できる介護支援専門員が関与することにより、入所の必要性を的確に判断できます。また、これにより在宅サービスの活用を含めた利用者に適したサービスの提供を可能にします。
◆ 指針の施行時期
(1)この指針は、平成15年4月1日から施行します。
(2)各施設においては、県の指針をもとに施設独自の指針を作成し、県の指針施行後  3か月以内に施設の指針に基づく入所決定の運用を開始します。

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