わかやま県政ニュース

和歌山県の棚田が「つなぐ棚田遺産～ふるさとの誇りを未来へ～」に選定されました

連絡先	農林水産部　農林水産政策局　農林水産振興課
担当者	金川・宮本
電話	073-441-2943
FAX	--
E-mail	e0701004@pref.wakayama.lg.jp

県内選定地区
・紀美野町　　中田の棚田　　　
・橋本市　　　芋谷の棚田
・有田川町　　上湯・あらぎ島　
・有田川町　　沼の棚田・段々畑
・有田川町　　久野原の棚田　　
・有田川町　  沼谷「天空の棚田」
・有田川町　　杉野原の棚田　　
・那智勝浦町　色川の棚田群

「つなぐ棚田遺産～ふるさとの誇りを未来へ～」とは
・概要：棚田地域の振興に取り組んでいる優良な棚田を農林水産大臣が認定
・主催：農林水産省
　後援：内閣府、総務省、文化庁、国交省、観光庁、環境省
・市町村より推薦された棚田から国の選定委員会が271地区を選定
・認定証授与式は、各市町でオンラインにより開催
　
選定基準
・次の要件を満たす棚田(必須要件)
①積極的な維持・保全の取組がなされ、今後も継続される見込みがあること。
②原則として、勾配が１／２０以上の一団の棚田が１ｈａ以上あること。
③棚田を含む地域の振興に係る取組に、多様な主体・多世代が参加していること。
・次のいずれかに関する取組が優れた棚田
　　①農産物の供給の促進　②国土の保全、水源の涵養　③自然環境の保全　
④良好な景観形成　⑤伝統文化の継承　⑥棚田を核とした地域の振興

〇わかやま紀州館で、「つなぐ棚田遺産」を紹介する特設コーナーを設置し、棚田地域の特産品を販売します。
期間：令和4年2月15日～3月末
　場所：わかやま紀州館（東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館地下1階）
※選定に合わせて、全国的に首都圏のアンテナショップ等で「つなぐ棚田遺産」のプロモーションを実施します。

〇「つなぐ棚田遺産オフィシャルサポーター」について
農林水産省では、「つなぐ棚田遺産」に関する周知など棚田地域の振興に繋がる取組を実施してくれる企業、団体等を募集しています。
(募集期間: ～令和4年9月30日、活動期間：サポーター認定～令和5年3月31 日)

県内選定地区概要

・中田の棚田　（紀美野町中田地内）
面積：９ha
保全団体：小川地域棚田振興協議会
　耕作放棄地が増加する中、「美しい棚田の自然と農業文化を次世代に残したい」という思いを持った方々が集まり、中田の棚田再生プロジェクトを立ち上げ、活動を開始。令和２年には小川地域棚田振興協議会を設立し、棚田の再生・保全、新たな観光・交流拠点として活用する取組を実施しています。
　登録ボランティアの「棚田サポーターズ」等による復田作業に加え、農業体験や棚田でキャンプ（棚田deCAMP）など都市農村交流の実施、SNS等による広報を通じて地域の魅力を発信しています。

・芋谷の棚田　（橋本市柱本地内）
面積：６ha
保全団体：柱本地域棚田協議会
　地元の小学校や幼稚園と連携した田植えや収穫の体験授業や自然観察会、地域外住民を対象とした棚田ツアーなど環境教育に取り組んでいます。
　また、棚田オーナー制による棚田に関わる人口の増加や、地域特産品の里芋、白ゴマなど高野山麓精進野菜としてのブランド化に取り組んでいます。
　棚田で収穫された米を学校給食米として使用することにより、耕作放棄地を復田し、放棄面積を減らす取組を始め、中学校での出前授業も実施しています。

・上湯・あらぎ島　（有田川町清水地内）
面積：18.8ha
保全団体：上湯・あらぎ島の棚田地域振興協議会
　「日本の棚田百選」であり、「蘭島及び三田・清水の農山村景観」は国の重要文化的景観に選定されています。棚田を含む農村の原風景を保全・活用するため、共同で棚田保全活動に取り組み、目立ちにくい鳥獣害防止柵の設置など景観に配慮した整備を推進しています。地域住民により景観への理解度を高める勉強会等を実施し、さらにパンフレット等により来訪者に地域への理解と保全活動への参加をPRしています。
　また、棚田ウォーク等のイベント開催や学生ボランティア募集などにより棚田に関わる人口の増加に取り組んでいます。

・沼の棚田・段々畑　（有田川町沼地内）
面積：41.4ha
保全団体：沼の棚田・段々畑地域振興協議会
　国内随一の傾斜度と言われる棚田や地域の伝統行事などを保全・継承するため、和歌山大学観光学部との域学連携活動を実施しています。学生による草刈りや山椒の収穫等の援農活動により耕作放棄地の増加を防止し、学生と共に作成した地域のシンボルマークを活用した農産物のブランド化に取り組んでいます。
　また、秋祭りなどの地域の伝統行事にも学生が参加し、地元料理の体験や行事の運営支援により、伝統文化の継承にも取り組んでいます。

・久野原の棚田　（有田川町久野原地内）
面積：32.7ha
保全団体：久野原の棚田地域振興協議会
　耕作放棄地の増加防止のため、新規耕作者への農業機械のあっせんや営農指導など、新たな担い手の確保・定着に向けた取組を行い、地域ぐるみで農村の保全に取り組んでいます。
　また、町内最大のゲンジボタルの生息地で保護活動や観察会を実施し、自然や農村の重要性について情報発信することで、美しい景観を保全・継承できるよう取り組んでいます。
　一般公開を休止している「久野原の御田舞」の保全・継承にも取り組んでいます。

・沼谷「天空の棚田」　（有田川町沼谷地内）
面積：10.8ha
保全団体：沼谷の棚田地域振興協議会
　標高が高い地域特性を活かし、棚田米、トマト等の高原野菜、ぶどう山椒等を生産しています。
　ぶどう山椒については、民間企業の労働力を活用して、耕作放棄地への導入や水田からの転作等による生産面積の拡大や六次産業化に取り組んでいます。
　また、耕作放棄地等を活用し、郷土料理であり特産品となっている「わさび寿司」に利用する畑わさびの栽培を推進しています。
　地域で楽しみながら「岩坂観音」で行うジャズコンサートなど地域の素晴らしさのPRにも、取り組んでいます。

・杉野原の棚田　（有田川町杉野原地内）
面積：16.1ha
保全団体：杉野原の棚田地域振興協議会
  農産物直売所を開設し、野菜や特用林産物等を販売することで来訪者を増やすとともに、定期的に「杉野原ふるさと市」としてイベントを開催することで、美しい四季の田園風景や特産品など地域の魅力を発信しています。
　また、地域女性グループ「ししがせ娘」による廃校を利用した農産物の加工、農泊の推進など棚田に関わる人口の増加や地域の活性化に取り組んでいます。
　一般公開を休止している「杉野原の御田舞」の保全・継承にも取り組んでいます。

・色川の棚田群　（那智勝浦町色川地内）
面積：31ha
保全団体：色川棚田地域振興協議会
　４０年以上前から移住に力を注いてきた地域で、多様な人材を受け入れ、地域で一体となって棚田の復田や維持管理を行ってきました。
  また、棚田地域振興法を活用して色川棚田地域振興協議会を組織し、色川地域内6箇所の棚田が連携・協力して棚田の保全・活用に取り組んでいます。
　また、若い人材が地域で活躍することにより、棚田オーナー制、農業体験等の都市農村交流、ＷＥＢの活用や農泊など様々な取り組みを実施しています。
　那智勝浦町において、令和５年度に全国棚田（千枚田）サミットの開催が決定しています。