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- ホーム > 組織から探す > 広報課 > 和歌山県庁メールマガジン > バックナンバー > 令和3年3月29日
一時〇×ファーストという言葉が流行りました。 しかし、 多く真似をされて世に出た言葉の中には意味のないものもあります。 この言葉は対立軸がある時言うから意味があるので、 私のような立場の者が和歌山ファーストと言っても意味がありません。 当たり前だからです。 我々行政はいつもクライエントファーストでないといけません。 4月は子供達が入学し、 就職する時期ですが、 前の立場から巣立つ旅立ちの時でもあります。 中でも、 高校生の就職は、 大学へ進学することよりも、 はるかに大事な意味があります。 どうやって就職先を決めるかであります。 ところが私が知事になった時、 そうやって就職した先から、 わずか2、 3年内に信じがたいほど多くの若者が離職していました。 大学卒業者の場合、 それほどではありません。 これは何故か。 結論は大学生と高校生で就職先の決め方に差があるからだというのが私の結論でした。 大学生は就職活動をし、 相手の企業に納得してから就職を決めているのに、 高校生は先生の指導で決めています。 先生は、 もちろん良かれと思って生徒の就職先を割り振っていると思いますが、 生徒だって自分の人生について思いがあり、 就職先の好みがあります。 とても成績の良い生徒がいて、
先生が一番難関そうな企業に推薦してあげたとしても、
その就職先の職種イメージや職場の雰囲気が生徒達の思いと違ったら、
その会社で居続けようと思わなくなるかもしれません。
一方、
自分で就職活動をして、
世の荒波にも気付きながら納得して決めた就職先なら頑張れるかもしれません。
そう思って、
就活をさせることにしようということを教育委員会と話し合って決めました。
その過程で、
もう既に色々十分やっていると言い募った教育委員会の幹部に、
私は「生徒がこんなにたくさん離職しているのに、
それでもあなたは教育者か」と言ったことも覚えています。
その後随分離職率は下がりましたが、 どうも下がりきりません。 調べてみたら、 あれだけ知事がそのことを県民に説明しているのに、 まだ学校の一社推薦制度が温存され、 それによって生徒の就職活動によって就職先を決めるのでなく、 先生の指導で決めているところもあることに気がつきました。 これでは生徒ファーストではありません。 教育におけるクライエントは生徒です。 そう思って制度的にも一社推薦制度から生徒の就職活動支援に完全に舵を切りました。 和歌山県知事 仁坂吉伸 |
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