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犯人は明らかに変異株で、
和歌山県では、
PCR検査で陽性になった検体は全てもう一度スクリーニング検査をしていますので、
よく分かりますが、
変異株割合は多い日で70%程度となっています。
一件一件状況を教えてもらっていますが、
担当の保健医療チームが積極的疫学調査と入院調整で余りにも忙しく、
統計を取っている余裕はありませんので、
私の印象になりますが、
この変異株の感染力、
感染スピードは、
在来株と段違いの印象です。
既に過去のメッセージで申し上げましたが、
コロナの感染力は第一波、
第二波、
第三波と次第に高まり、
県の計算では、
陽性者一人がうつしたと思われる人数はそれぞれ、
1.37人、
1.44人、
1.56人と高まっていましたが、
今回はもっと高いはずだと思います。
和歌山県では、
感染拡大の防止は保健医療行政で何とか抑えるので、
県民の生活や経済を守るために県からお願いしている最低限の注意だけは守っていただきつつ、
生活や経済をしっかり営んでくださいという方針でやって参りましたが、
感染状況が先述のように余りにも急拡大しているので、
県民にもう少し強く行動の抑制をお願いせざるを得ないところに来ています。
そこで感染の実態をきちんと踏まえた上で、
必要と思うところは、
お願いのレベルを上げています。
令和3年3月26日には「歓送迎会、 謝恩会、 宴会を伴う花見等を極力避ける」というお願いを加えました。 さらに4月7日、 カラオケを介して感染が急拡大しているので、 当分の間「家族以外とのカラオケを控える」というお願いを加えました。 もちろん、 首都圏やまん延防止等重点措置対象地域への不要不急の外出は控えて下さいということも併せてお願いをしています。 今後も、 感染状況を見ながら、 危ないと思ったところは、 制限のレベルを上げていくこともあり得ると申し上げておきたいと思います。 県民の皆様におかれては、 従来から申し上げているように、 わざわざ大阪等の感染多発地に出かけての飲食や歓送迎会、 新入生歓迎コンパなどで夜遅くまで盛り上がることやお友達の家や下宿に大勢集まっての会食などを避けていただくことはもちろんとして、 通常の会食や友達づきあいなどでも、 今は感染リスクが高くなっていることを念頭に、 感染防止に気をつけていただきたいと思います。 特にマスク(鼻出しはいけません)、 手指消毒、 密を避けることなど基本的な注意事項の励行をもう一度思い出して欲しいと思います。 次に、 問題となるのが病院の病床です。 和歌山県は、 コロナの病状をよく研究してあり、 感染後早期に急に容体が悪化することもあることから、 まずは全員入院ということを堅持しています。 (当県の研究では命に関わる肺炎系の疾患が出てくるのは、 発症後4日から6日というデータがあります。 )おそらく、 これを厳格に実施しているのは日本でもほんの少数の県でしょう。 また、 このため、 保健医療行政の積極的疫学調査により感染者数を低く抑えると共に、 コロナ用の病床も各病院の協力により最大400床、 すぐ利用できるのが330床と、 人口の割にはかなり確保しています。 さらに感染者数が増えたときは次はこうすると、 多段階の対応を考えてあります。 こういう万全の体制を取っているはずですが、 このところのコロナの新規感染者数は和歌山県にしては余りにも多く、 少し安心はしておられなくなってきました。 (コロナで入院している人の数は4月9日現在で229人です。 ) このような病床の逼迫のもう一つの原因は厚生労働省が退院基準を変異株に関して厳しくしたからです。 変異株ウィルスがどのくらい長い間感染力を保っているか、 不安だったのでしょうが、 昨春の在来株についてですがPCRで2回陰性を確認してから退院を認めるという伝統的な手法を、 変異株では復活するように通達してきたのです。 その後、 在来株の場合、 退院基準はうんと短縮され、 有症状の人は発症後10日、 かつ症状軽快後3日、 無症状の人は検体採取後10日ということになっていましたので、 第三波の時も結構感染者が出たのですが、 和歌山県のコロナ病床がピンチになることはなかったのです。 そこで、 私が提唱して、 全国知事会なども巻き込んで、 国に変異ウィルスの経過の知見を早くまとめ退院基準の緩和を行うようお願いをしてきましたが、 厚生労働省はこの作業を行う国立感染症研究所の作業が終わらないのでと、 中々やってくれませんでした。 一方、 国は変異株でも始めから自宅やホテル療養も認めているので少々変なのですが、 それならばと、 和歌山県では令和3年4月6日、 療養のシステムを変更しました。 内容は、 まずは全員入院というのは変更はありませんが、 有症状者は発症後15日を経過したら、 無症状者は検体採取後10日を経過したら、 病院は出ていただいて自宅で療養をしてもらうというものです。 実は、 当県独自の見解では、 変異株でも上記の日数経過後はおそらく感染力は無いだろうと思っているのですが、 万一のこともあるので、 国の決定が出るまでは退院−自宅待機ではなく、 病院から自宅療養に切り替えとしました。 おそらく国の基準が出たら、 この人達を退院をしたと認定することが出来るでしょう。 と書いてたら4月9日、 国から基準が示され、 変異株の感染者も在来株の感染者と同じ扱いとするということになりました。 これでもう少し楽になるでしょう。 こうして、 ベッド数を少々空けます。 それでも一杯になりそうだったら以下のように次の段階へと移行していきます。 その1 上記の期間が経過しなくても、 おそらく患者の病状悪化のリスクがなくなった入院患者は上記の期間が来るまでの間、 ホテルで療養をしてもらう。 そのためのホテルとも話し合いができていて、 GOサインが出たら、 速やかにこれを可能としてくれるでしょう。 その2 さらに、 このホテルもいっぱいになってしまって、 まだ病院の病床が足りないという場合は、 上記の状況になった入院者は自宅で療養をしてもらう。 (これは定義通り本当の自宅療養になります。 )東京など多くの県では、 自宅療養を陽性が判明した人には初めから採用していますが、 和歌山県ではこの段階でも症状悪化リスクのある初期には病院で見守る体制は崩さないようにしようと考えていますので、 県民の皆さんの命が助かるはずだったのに失われてしまったということはありません。 次に、 よくテレビなどで、 PCR検査をある集団全員に実施して感染者を発見せよというようなことを言う専門家と称する人がいます。 また、 時々どこかの行政のトップや学者が、 高齢者福祉施設など特定の施設に全員PCR検査をして陽性者を入れないようにすべきだと力説することもあります。 保健所などの体制に余裕があり、 感染者も少ない状況なら、 こういうことも意味がありますが、 現実にはあまり褒められたものではありません。 何故ならば、
第1にコロナはPCR検査で陰性を確認されても、
その直後、
陽性者と接触すれば感染するからです。
だから、
本当は毎日のように検査をやり続けなければなりません。
第2に、
PCR検査は、
その次のアクションのためにするもので、
調査員が調査結果についてのレポートを作るようなものではありません。
陽性者から行動履歴を聞き、
その相手に検査をかけ、
入院その他の世話をきちんとしないといけないのです。
ところが大抵の場合、
これをやっている保健所は崩壊寸前に忙しいのですから、
このような新しい検査もやれと言っても、
それに伴うフォローができるでしょうか。
第3に、
こういうことを言う人は、
本来保健所が行う積極的疫学調査をきちんとしなければならないということを忘れています。
本来の義務も果たせないで、
こういう一斉検査みたいなことにマンパワーを使っているのはどうでしょうか。
何故ならマンパワーに限りがあるとき大事なのは、
より効果のあるところから処理していくことです。
陽性者の濃厚接触者という感染しているリスクが高い人のフォローをなおざりにして、
感染している人がいるかどうかよくわからない人がいっぱいいる施設の検査などに限られたマンパワーを向けるというのはどうなのでしょう。
余り言いたくはありませんが、
施設検査を唱えている世田谷区は、
都内の新聞によると東京都23区内でコロナ感染者数が最も多くなっています。
想像できるのは、
施設はしょっちゅう検査をして守っているけれど、
その分保健所のマンパワーが市中で判明した陽性者のフォローにかけられなくなって、
基本的な積極的疫学調査がおろそかになっているからではありますまいか。
最後に、 変異株の場合、 感染力が高く、 かつ感染スピードが速いものですから、 県民の皆さんに次の2つの行動をお願いします。 1つは、
少しでも何か体調が変だなと思ったら、
すぐかかりつけ医か県庁の専用ダイヤルに電話をして、
PCR検査を受けてください。
よくあるのは体調が悪くなっても、
何のこれぐらいと我慢することです。
その結果、
家族はおろか職場や友人にどんどんうつしてしまいます。
発症後1週間ほどあちこち行かれたので、
たくさんの人にうつしてしまって、
保健所の囲い込み対応が大変だったという例もあります。
そうしてうつした先が高齢者福祉施設やサービス、
病院であったりしたら最悪で、
死者が出てしまう危険性も高くなります。
付け加えますと、
こういう場合PCR検査は無料ですから、
やってもらわない手はありません。
もう一つは、
陽性になったら必ず保健所の職員に行動履歴を残らずおっしゃっていただき、
入院指導に従っていただくことです。
色々な思惑で、
この事に協力していただけないと、
感染を追いかけられませんから、
当局の知らないところで感染が爆発する可能性があります。
お聞きしたことは秘密は守りますので、
是非お願いします。
もし、
この事に協力をいただけない時は、
その方の氏名をオープンにして、
この方と接触した人は、
すぐ検査をしますので申し出て下さいという方法に訴えざるを得ないことが論理的帰結です。
それに付け加えて、 変異株コロナはかようにうつりやすくなっていますので、 ちょっとしたことで誰にでもうつります。 ネット等で感染者を誹謗中傷することは止めましょう。 特にインターネットで匿名で人を攻撃するということは最低です。 県の条例で、 このようなことを取り締まることになっていますし、 法律でもっと厳しい不利益を課されることもあるかもしれません。 みなさん誹謗中傷はやめて、
コロナ感染者が退院したらあたたかく迎えてあげましょう。
和歌山県知事 仁坂吉伸
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