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令和4年2月1日
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◆ 知事メッセージ (広報紙 県民の友2月号掲載)

2つの総点検

 災害は忘れた頃にやってくるという諺(ことわざ)がありますが、 至言だと思います。 災害の時のことをいつも思い出し、 考えながら、 常に対策と心構えを怠らないことが大事です。 その時、 将来起こりそうなことを予測し、 対策を立てておくことは、 人間の能力に限りがあるので、 かなり難しいと思います。 しかし、 起こったら、 それを教訓に、 二度と起こすまいと対策を整備しておくことはそんなに難しいわけではありません。 また、 他で同じような事が起こらないか、 災害の教訓を生かして考えることも大事であります。 この見地から、 和歌山県では、 最近2つの総点検を全県的に実施しています。

 1つは、 令和3年7月3日、 熱海市伊豆山地区で発生した盛土の崩壊による土砂災害です。 報道などでだんだんと分かってきたことですが、 安全対策を怠った業者もいけないと思いますが、 それを看過してきた県や市の規制や監督もおよそ行政の体を成していないと思います。 和歌山県では、 近年規制を強化して監督をしていますので、 今あれほどのことを見逃しているとは思えないのですが、 それでも忘れられてきた危ない盛土はないか、 住民の皆さんの申し出や衛星観測など科学技術の助けも借りて、 徹底的にチェックを行いました。

 また、 和歌山市の水管橋の落下は、 和歌山市を中心に国も県も産業界も協力して応急復旧から本格復旧に進みつつありますが、 全県で同じような事が起きないか、 水道のみならず全ての生活インフラで他にこのような脆(ぜい)弱な設備はないか、 また、 もしその設備が壊れた時、 ほかの手段でその脆弱性をカバーする仕掛けがあるかどうか、 県が中心となって市町村、 国、 民間インフラ企業も入ってもらって、 徹底的に調査を行っています。

 我々は全能ではありませんが、 何か災害が起こり悲劇が生じた時、 そこから学び、 他の問題も想像し、 そのことへの備えを行うことは可能です。 そこまでやるか否かは、 それによって県民の安全を守ろうとする意志の問題であります。

和歌山県知事 仁坂吉伸



 
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