長保寺の全景を概観するとき、その背景が古い森であることが荘厳（そうごん）の感を一層深めてくれる。この長保寺の林叢は、当地方ではまれにみる常緑広葉樹林で、寺院の力で古くから国宝の建造物や徳川家墓所とともに保護されてきた。付近の森はマツが主木であるが、この林叢はシイノキ、ホルトノキ、ヤマモモ、アラカシなどの常緑広葉樹が占めている。この他、注目される植物にマツバラン、ハナヤスリ、ハイヂゴザサがある。