西禅院庭園は、昭和26年に既存の池庭を改修して重森三玲が作庭した庭である。この庭園の特徴は、庭の中央に配された池とその周囲の石組、軒内には色彩豊かな石が敷詰められており、その石の使い方から重森三玲らしさを感じることができる。庭の北端には、少し離れたところに鯉魚石（りぎょせき）が配されている珍しい形の龍門瀑（りゅうもんばく）がある。池の護岸には小さな石が重ねて組みこまれている。山畔には三尊石が、池中には岩島が、応接間前には重森三玲の特徴である傾斜した石がある。
この庭は、龍門瀑から護岸石まで多くの石組があるにもかかわらず大きな変更はなされておらず、現存状態は良好で文化的な価値が高いといえる。