関西自然に親しむ風景100選(地球環境
関西フォーラム・2005年)
江戸時代に端を発する日本一の南部の梅林と、それ以上の長い歴史をもつ紀州備長炭と須賀神社
【南部の梅林】 南部の梅林は、名実ともに日本一であり、1月下旬から春に先駆けて梅の花が咲き始め、2月中旬になると白く柔らかいじゅうたんを敷詰めたように、なだらかな山並みを蔽い、見渡す限りの梅林になる。辺りに梅の香りが漂い、人々を身も心も寛いだ気持ちにさせる。みなべ町の梅の起こりは、江戸時代の始め頃この痩せ地に農民たちが梅の栽培を始めたことによる。なかでも梅の生産の祖といわれているのは、慶應元年(1865)生れの内中源蔵翁で、源蔵は貧しい農村だったこの地の荒れ山を開墾して梅林を作り、収穫した梅の実を加工し販売するという現在のスタイルを確立した。
【紀州備長炭】 ウバメカシやアラカシといった緻密な原木を材料に、幾つかの工程を経てできる他に類のない堅質炭で、鉄に匹敵する硬度を持っている。平安時代から1200年の歴史があり、元禄年間に改良され現在に至っている。紀州の炭問屋の備中屋長左衛門が普及させたと言われる。
【須賀神社】 須賀神社は、一条天皇時代から約千年の歴史を有する神社で10月9日に祭りが行われる。京都の八坂神社の系統をひき祇園御霊宮と呼ばれ、和歌山県指定の文化財となっている。
出典: 地球環境関西フォーラム
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