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和歌山の祭り・年中行事

真国御田春鍬儀式

春鍬儀式

 

紀美野町(真国)

地元で「 春鍬儀式」と呼ばれる。 1年の米作りを狂言形式で表現した予祝芸能(予め祝福することでその事の実現を祈願する芸能)である。

五穀豊穣を願って、 真国丹生神社(丹生都比売尊(にうつにめのみこと)を祀る真国の氏神)において、 旧の1月7日に行う。

働き者の農家の主人である「花賀丞(はながのじょう)」と、娘婿である「福太郎」が米作りをする様子を描いた狂言形式の伝統芸能である。他に、田植えと稲刈りの所作を行う「早乙女」、その時唄を盛り上げる「お囃子」、水口祭の際に登場し、おめでたい存在である。
である「牛」が登場する。
①苗代づくり…花賀丞と福太郎の二人が鍬を持って登場。田を打つ(鍬初め)→畦はつり→鍬で田を均す。
②肥まき…しゃくと肥料を持った福太郎が登場し、「ぽーい、ぽい」の掛け声で客席に向かって肥をまき散らす仕草をする。
③水口祭り(田の神に豊作を祈る儀式)…福太郎が白米を入れた器を、田の水口に供える。
④苗植え…花賀丞と福太郎が種もみをまく。
⑤2人のやり取り…なぜ仕事にとりかからなのかと花賀丞は福太郎に問いただし、福太郎は言い訳をする。かつてはこの部分で歌が歌われた。
⑥苗取り…歌を歌う。
⑦田植え…早乙女が2人の唄に合わせて苗を植える。
⑧稲刈り…鎌と稲を持った早乙女が稲刈りの所作を行う。花賀丞と福太郎は歌を歌う。
⑨蔵入れ…俵に米をつめ、蔵の中に積み上げる。天井の梁まで届くほどの豊作である。
⑩モミすり作業…「びんさう、ぎっすり、ゆずすまんや」と掛け声をかけながら行う。
⑪「千秋万財春鍬終り」の声で全員が舞台に上がり、儀式終了。

1200年くらい前から(数百年前とも)と伝えられている。
そのご利益を求めて堺の住吉神社から持ち帰り、真国丹生神社で奉納したことに始まると言われている。また、天野の丹生都比売神社の御田祭を持ち帰り、それが長い時間を経て真国特有のものに変化したとも言われている。天文5年(1536年)に起こった社殿の火災の際に文書などが焼失してしまったため、詳しいことはわかっていない。

稲をひいてモミにするところや、唐箕(とうみ)によるモミとゴミ(葉屑やモミガラ)を選別する場面、また臼引きなどの所作が昔に比べて、省かれている。現在は30~40分の儀式だが、もともとは1時間40分くらいのものであった。
早乙女は、昔は小さな女の子で、座っているだけ。
神主さんが持っている稲穂をとろうと駆け回る件があった。今は言葉が主だが、昔はよく動いた。

もともとは7カ部落が一年交代で担当していたが、だんだん参加できる人が少なくなり、世界リゾート博(1994年)で演じたのを最後に一時期途絶えていた。4年前より、りら創造芸術高等専修学校の生徒により演じられている。

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