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和歌山の祭り・年中行事

地搗き(じつき)

海南市(大窪)

大窪は土地柄、坂の多い集落である。家を建てるときは、まず「地搗き」をしっかり行わなければならなかった。「地搗き」は、柱を立てるところ(据え石を置くところ)をしっかりと固めるためのもので、唄を唄ったり太鼓をたたいたりしながら音頭をとって能率を上げた。
「地搗き」は、地搗きするとき唄われた唄とその様子を後世に残すのが目的で、行われている。
各種イベントがある時に、当該イベント会場で行う。

実際の建築現場では、まず地搗きするための装置を作る。地搗きするための装置とは、放射線状の足場と、その中央に電柱くらいの棒(松の木)をはめ込んだものを作り、搗き手の数の紐(シュロ)をくくりつけたものである。
搗き手は20人くらい。施主の親戚や地域のボランティアが務めた。
一ヶ所搗くのにおよそ30分。家の大きさにもよるが、2日くらいかかる。
唄の上手な人が唄を唄い、そのリズムに合わせて搗き手は紐を引いた。(よいとまけに同じ) ただ引くだけでは飽きてくるし、能率も悪い。そのため唄や太鼓を取り入れてリズミカルに作業した。唄は、唄い手がその土地に応じて即興で作り、聞き伝えされた。

「大窪地搗き音頭」の公演については、唄い手が唄を唄い、その音頭に合わせ、数人(6人)で地搗き装置模型の紐を引くというもの。(次回からは太鼓も入る)
公演時間は10分から20分。(唄をどれくらい唄うかによって変わる) 
「紀州民謡のすべて」(クラウンレコード)LP2枚組に4~5曲収録されている。
「大窪の笠踊り」と似た部分がある。

<「大窪の地搗き音頭」歌詞>
ヨーイ ヨーイ ヨーイトセ
めでたナ めでたノョー  ヤレソラ
若松様よ           ア ヨーイ ヨーイ
枝もナ  栄えてヨー   ヤレソラ
ヨイサナ  葉も繁るヨー   ア ヨーイ ヨーイ ヨーイトセ
アリャヨイコリャヨイ アリャヨーイトセ
来たらナ  見て欲しいヨー  大窪の道場の
段にナエ  作ったヨー  ヤレソラ  イチョウの木をヨー
日照りナー  続きでヨー  神に願かけて
みんなナ  揃ってヨー ヤレソラ かさ踊りヨー
みんなナエ 揃ってヨー  ヤレソラ  雨乞い踊り
神のナーエ  御利生のヨー  ヤレソラ 雨が降るヨー

<「大上げ」歌詞> 
※この「大上げ」は、搗き終り(一ヶ所ごと)に唄う。
親父頭をヤカンかと おもて    ヤカンカトオモテ
今朝も 古鉄買いがホイホイホイ   ホイホイホイ
値をつけた おもしろヤ
張り腹の ひょこたんじゃ
おおあげ  ヤッサイ  おおあげ  ヤッサイ
ならしづきだよ   ヨイトコセ ヨイヨイトコトコ ヨイトコセ
慣れたらおくんじゃ  ヨイトコセ  ヨーイ ヨイ
一で 俵踏むまえて    二で にっこり笑うて
三で 酒造って       四つ 世の中良いように
五つ いつもの如くに   六つ 無病息災に
七つ 何事無い様に    八つ 屋敷ひろめて
九つ 小倉を建て始めて  十で トーンと 納まった 


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