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和歌山の祭り・年中行事

大般若会

大般若会

転読風景

有田川町(久野原)

地元で、 「般若絵」「大般若」「大般若会」「大般若波羅密多経」と呼ばれる。

般若絵の会式。御祈祷回向(死者の幸福を祈ること)で、家内安全・先祖供養・交通安全・病気平穏など村の御祈祷になる。
護摩堂(無量山の法徳寺)( 有田川町久野原1235番地)で行われる。元々、 旧正月28日に行っていたが、町村合併があったため、旧暦行事はほとんど新暦に移行したため、現在は新正月28日となった。

午後1時頃より「大般若波羅密多経」第600巻(木版) 唐の三蔵法師玄奨奉詔訳の転読会転読の時も、600巻を読むことは大変であるため、お経の最初を読んだ後に途中をパラパラパラっと詠んだようにし、最後をまた読み上げ、パンっと手で叩いて経机に置いていく。それを5人~6人で600冊行う。その転読の時におきる風にあたると風邪をひかないと言われており、参詣者は外でそのお経を聞きながらその風にあたっているような気となる。また、最後にパンッと音が立つことで、その音で悪霊が退散すると言われている。約1時間~1時間半くらい転読している最中に戸袋に入ったお札を配布。その間、村の人々が次々にお参りする。
呪札(御祈祷の呪札)は、郷中息災・家内安全・災害消除の祈願法会で悪霊退散になった。
15時頃 餅まきをして終了
札の方は、各家庭に持ち帰り、玄関に入った時に目につくところや台所、トイレの柱など色々なところに貼っている。
①楠本地区は般若絵の儀式が終わったら、6人くらいで他の地区との境界線6か所に、呪札をたてて、楠本地区には邪気が入らないようにしていたという。
②札を子供たちに持たせて、御祈祷済みの札をお守り代わりに財布に入れて1年持たせたりもする。昨年の古いお札は、2月3日に「やきやき」の時に一緒に燃やす。

大般若会の回向は文政元年(1818年)からと宝歴8年の書籍に書付してある。
昭和50年代から住職が一人になった。(以前はご近所の住職(清水寺・法福寺・徳善寺・雨錫寺)さんたちが手伝って一緒に転読していたが、いつの頃か住職が手伝いに来るということがなくなった)現在は、住職さんと檀徒総代8人と区長が堂内に同席し、補助役を務める。
当日にお参りする人の数も減ってきたし、餅まきの内容も、昔は餅が喜ばれていたが、今は菓子の方が喜ばれたり量も増えてきている。
子どもの数も昭和10年ごろなどは小学生だけでも120名くらいであったが、現在は小学生は20名くらいであり、子供の数も少なくなってきて、賑やかさも変化してきた。

 

釈迦十六善神絵像軸を前に掛け、 お札をいただいて帰る
お供え物としては、白餅(最近は赤餅やよもぎ餅なども)・果物・菓子類・野菜類。
転読の時の風を「般若風」といい、これにあたると風邪をひかない。
読誦は悪魔を威嚇する「般若ごえ」と言われている。

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