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宮講
岩出市(根来)
本来は坂本神社の社務所ですべきところであるが、十分な広さがないため他に場所を借りている。 平成12年まで根来山荘、以降は根来北集会所において、毎年1月20日前後の日曜日に行われている。
「敬神の念を養い、講員の親睦を図ることをもって目的とする。」(文献の移しより)とされ、講の伝統を守り引き継いでいる。
前日;当番4名が坂本神社神殿を清掃。
当日;午前11時~
<坂本神社にて>
席順は、年の多い順番。講の一番の年長者を「一老さん」という。
中央をあけて左右に3人ずつ座る。神殿に向かって右側のグループは中央より外に①(一老さん)②(二老さん)③(三老さん)、左側のグループ中央より外に④⑤⑥、同じく2列目も右グループは中央より外に向かって⑦⑧⑨、左グループは中央より外に向かって⑩⑪⑫……と並ぶ。
神主が神饌を神殿に供える(現在坂本神社に神主はいないので、紀の川市の九頭神社・荒見の宮より来てもらう)。
神主の祝詞(平和と、講員の健康を祈願)、お祓い。
作法に則り、ひとりひとりが榊を神殿に供える。
かわらけでお神酒を頂く。
神饌を下げる。
<場所を移し根来北集会所にて>
「坂本神社」と書かれた掛け軸の前に鯛を供える。
神主が祝詞をあげる。 部屋を移して協議及び直会(なおらい)を催す。
席順は、年の多い順番。上座中央に神主と一老さん。左右向かい合わせになり、右側の奥より②、左側③、右側2列目④、左側⑤……と座る。当番は下座に4人並ぶ。
一老さんの挨拶。
当番の挨拶。(当番の中でも一番の年長者が挨拶をする)
協議をする。議題の提案権及び協議の決定権は一老さんにある。
次回の当番を発表。
直会。当番が、神主、一老さん、二老さん…と順番にお酒をついで回る。
適当な時間になると、一老さんが「取りの杯」を回すよう指示。
「♪この酒(ささ)を飲む人は、諸願成就、商い繁盛、飲め、飲め五合、置いたら三杯また三杯」と歌いながら、当番が一老さんから年の順番に熱いお酒を勧める。この歌は、杯をテーブルに置いてしまうとさらに三杯お酒を飲まなければならないという意味で当番は熱々のお酒を用意し、なんとかたくさん飲んでもらおうとする。
一老さんが当番に酌をし、労をねぎらう。
直会終了。 土産(寿司折り)と榊を、各講員に渡す。 宮講終了。
明治39年近隣の神社が合祀し、坂本神社となった。その時からの行事だと思われる。
合祀したのは、「今宮神社、山ノ宮神社、三舩社、八幡社、水神社、鎮神社、及ヒ上岩出ノ邑字山田ノ里四社明神ノ諸々ノ御霊」(文献移しによる)。
参加は講員のみ(坂本神社の宮座を持っている者)。
現在講員は29名(内、休講者7名)。
講員になる、もしくは講員を続けるには、厳しい規則があったが、今は若干緩和されている。20~30年位前に女性も参加できるようになった。