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川原河の虫送り
日高川町(美山)
地元で「虫送り」と呼ばれる。
斉藤実盛の霊を弔い、ひいては田の害虫を駆除するために行う。
日高川町川原河(かわらごう)の田んぼの畦において、7月はじめ(稲の分結が盛んなころ)に行う。
お寺で祈願したのち、
1.大人は松明を作り火をつけて燃やし、子供たちは、それぞれの鐘を打ち鳴らしながら、上の田の畔から、大人の人たちの後をついて回る。
2.「サーカイ、サーカイ、サネモリさんのおとむらい(お通り)じゃ、虫もケラも御供せえ」と大きな声で唱え事を繰り返しながら行進する。
松明の火が消えかかると、大きく振ったり廻したり、叩いたりして、火の勢いをつけた。
3.田の畔を回り終えると、川へ行って流した。
流すのが禁じられてからは、ごつごつした岩の穴に入れて焼き上げた。
4.終わったら、お神酒程度のお酒を酌み交わして終了解散。
斉藤実盛(平安末期の武将)は稲田の中で討たれ、その恨みから、ウンカの虫になったとの言われがあり、昔は、ウンカの病害が多大であったために、実盛の霊を弔う行事として伝わってきたようだ。
農薬が普及し、昭和50年代に衰退して、現在は行われていない。
当時は50戸ほどの、水稲農家があり、勇壮な風物詩であった。
前日、参加者それぞれが、家で、松明を作る。肥松の油の多いものを、日頃から集めておく。 1メートルほどの竹に、肥松,枯れ竹、松葉を束ね、直径20センチ長さ1メートルの松明を挿して作る。子供たちの持つ鐘も用意する。