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和歌山の祭り・年中行事

長尾の獅子舞

田辺市(長野)

地元で、「長尾(ながお)の獅子舞」と呼ばれる。

「長野八幡神社秋祭り」は11月3日に、 「若宮神社祭」は12月第2日曜日に行われる。

五穀豊穣、家内安全、厄除け、商売繁盛、火伏、安産を願う。
長尾の地区は、槇山の尾根にあり、水に恵まれない地域でいつも困っていたところ、舞えば必ず雨が降るという獅子舞いが、近露の豪族、野長瀬家の倉の長持ちに閉じ込められていると、熊野聖(くまのひじり=山伏)に聞き、早速、野長瀬家に貰い受けを頼みこんで、了解を得たのちに、若い衆を野長瀬の屋敷に、泊りがけで習いに行かせた。そして、黄金の目を持った獅子頭をいただいてきたのが始まりである。大変な暴れ獅子であるために咬まれて怪我をしてはいけないと、口を布でしばってある。

≪順序≫
①頭屋入り(1か月前ごろ)前は個人宅であったが、現在は長尾会館に掛軸とともに飾られる。 
②笛(1番難しい)、太鼓、舞の練習。 
③宵宮。 
④本宮;祝詞、お祓いを受けたのち、玉垣内で3回、玉垣の外で5回の獅子舞奉納をする。 
⑤直会(なおらい)。

天正年間(1573~1592)に一時途絶え、時代が落ち着いた江戸時代には復活したらしいのでそれ以前からと伝わっているが、起源は不明。
現在残っている屋台に 明和9年8月15日(1772年)という文字があり、それ以前の屋台が壊れて作り替えた時の年号だということである。

○昭和の終わりごろまでは、地下廻りといい、各戸で舞っていたが、現在は境内での奉納舞いのみ(参加人数が少なくなったから)。
○近年、上野地区からブラスバンドも参加。
○笛の吹き手が少なく、後継者が育たなく後世にとCDを作成したりしている。
○会館ができるまでは、頭屋は、新築した家が当たっていたので神棚は空で、その新しい神棚へ獅子舞の舞い方が、各方面の神社のお札を受けてきて納めたが、現在は、会館を頭屋として、お札は一か所の神社にしている(古いお札は屋台の札箱に入れて後、お焚き上げをする)。
○昭和40年代までは、青年宿があって、田植えが終わると、そこに集まり寝泊りしながら、笛太鼓を習った。
○大昔は祭は夏に行われていたらしい。雨乞いのために始まった獅子舞。


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