海南市(立神)
「 春祭り」と呼ばれている。
商売繁盛、豊作、厄除けのため、
立神社の境内において
5月3日に実施されている。
各字でついた餅を神殿に運び込む。小餅は赤櫃に入れ、大餅は一枚ずつ抱えて運ぶ。輿(おき)地区の大餅は、ヒバを敷いた手作りの駕籠に載せ、背負い棒を前後から担いで奉納する。(境内から祭殿までの階段をのぼっていく)
駕籠は、全て竹で作る。お盆のような台に十文字に弧を描くように竹をしならせる。交差したところに竹ざおを通し、両端をかつぐ。
午前10時30分から神殿で祭典。
午後2時から餅まき。
餅は、神社でつくものと六つの字から奉納されるものを合せて7石ほどもある。字から奉納されるものの中には、商売繁盛などの祈願と、個人名・会社名が朱色で書かれた一斗餅(直径40~50㎝、厚さ10㎝ほど)もある。
各字とは、下出・上出・土井原(どいはら)・松尾・輿(おき)・百垣内(ももがいと)。
うち、下出・上出・土井原・松尾は引尾という。
立神社管轄の字は、引尾に笠畑・興・百垣内が加わる。
立神社管轄の字に曽根田を加えて、仁義といわれた。(今は公的にこの仁儀という名は残っていない)
子供の数が少なくなり、10年くらい前になくなったが、それまではこの春祭りに「大神楽」を奉納した。これは、子供が参加する神事で、4人の女の子が巫女に扮して舞を舞いながら神棚の周囲をまわったり、それに合わせて笛や太鼓を演奏したりした。
昔は、各字から神社祭殿まで行列になり歩いて運んだ。現在は、神社の境内まで車を使う。 年々、奉納される餅の量が少なくなってきている。 近年は、安全のため、1斗餅を小さくするよう要請がある。
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