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和歌山県の民話

うそ淵(ふち)

出典:わたしたちの九度山町

発行:九度山町教育委員会

むかし、中古沢(なかこさわ)に、青々とした大きなふちがありました。
ある夏の朝、喜平という鉄砲うちが、このふちで、五・六羽のかもが泳いでいるのを見つけました。
そっと忍びよって、ズドーンと一発うつと、三羽のかもが浮きました。
喜んでふちにとびこみ、かもを拾って岸に泳ぎつき、木の根をつかんであがろうとしました。
ところが、つかんだのはかわうその足だったのです。
びっくりしたかわうそは、逃げようとして、必死になって地面をかいたので、山の芋を三貫めも掘り出しました。
おまけに、土が落ちて水がにごったので、えびが三升(さんじょう)ほど集まったということです。
こんなうそのような話を聞いた村人は、それからここを「うそ淵(ふち)」というようになりました。

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