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和歌山県の民話

仙八(せんぱち)と山おじ

出典:中辺路町誌下巻

発行:中辺路町

近露(ちかつゆ)の関(せき)の平(だいら)にむかし狩(かり)の好きな仙八と言う男がいた。ある日山へ狩りに行ったところ、たまたま山でいちばん大声を出すと言われる山おじに出逢った。
その山おじが仙八に向かって「ほえ合いをしてどっちが声が大きいか比べよう」と言う、仙八は、「それは面白い」と言って相手になることにした。
そして「お前がほえるときはわたしは耳をつめておるし、わたしがほえるときはお前は目をつむっておれ」と言って先に山おじにほえさした、山おじは力いっぱいほえたが、両方の耳をつめているので仙八はそうこたえなかった。今度は仙八の番になって山おじに目を閉じさせて、耳元へ鉄砲を持っていき、ぶっ放した、山おじは「お前の声の大きいのにはとてもかなわん」と言って山奥の方へ逃げて行ったと言う。

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