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和歌山の食文化

日高川町(寒川)

【なれ寿司】
<三か月かけて作る(本なれ)>
1.寿司用のさばは、早寿司のような、薄味の一夜塩ではだめ。生きの良い地鯖の辛塩で、しっかり身のしまったものを選ぶ。
2.骨を取り(ていねいに)呼び塩をして、薄い塩気が残る程度に塩抜きをする。
3.寿司ごはんには、去年の上米を使う。普通の御飯よりも柔らかく、お酒を少し振り込んで、ふんわりと炊き上げる。
4.寿司ごはんの味付けは、おにぎりくらいの味の、塩味のみ。酢も砂糖も不要。
5.魚の大きさにあわせて、おにぎりを作る。そしてひとつ並べにして、冷え切ってしまうまで冷ます。
6.塩抜きした魚を笊にあげて、水を切っておく。水が切れたら、おにぎりにかぶせて、ハランか笹の葉で丁寧にくるみ、細いナイロンの紐で縛る。(シュロの葉を細く裂いたものが最もいいが)ナイロンで代用すれば簡単。
7.入れ物はすし桶が最上。漏れないように二,三日前から、水を入れさし、入れさし、して用意したものを使う(箱の場合は、角で隙間ができて、この隙間にカビがくるのでよくない)。
8.丁度良い加減の塩水を作り、手で桶底をよく湿らせ、桶のぐるりから、お魚を下にして、隙間なく詰める。一段つめ終わったら、また塩水をパッパッと打ち込んで、蓋で強く押し付ける。繰り返す。一段毎に塩水を打ち込むことを忘れないように。
9.最後に、笹か、ハランを並べて、よく湿らせて蓋を落とし、うんと重い、漬物をするくらいの重しをかけて、20日以上たってから食べる。
10.お魚もおにぎりも、お酢は使わず、自然に発酵させると酸味も甘みもほどよく出てくる。
11.取り出し始めたら、一段を全部取出し、元通りにし、最後まで重しを緩めないようにする。そうすると、決して悪いにおいはせず、カビも出ない。
12.取り出した寿司の食べ残りは、ハランで包んだまま、濡れ布巾を掛けておく。
13.重石は傾かないようにいつもまっすぐに押す。
14.桶に詰める場合、隙間ができたら、冷やご飯を握って詰める。


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