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和歌山の食文化

紀の川市(鞆淵)

【いんのこもち】 
亥の子の日に、ごはんとこいもをつぶし作る。今は作らない。

【柿の葉ずし】
塩さば、あげ(味付けしたもの)、しいたけ(味付けしたもの)、なると(味付けしたもの)、赤板(酢で味付け)、卵焼きをそれぞれ酢飯にのせて包む。

【金山寺味噌 醸造法】
<原料の割合>
①主要原料;大豆(3升3合)、白米(4升)、白麦(3升3合)
②加薬類;なす(1貫匁=3.75kg)、白瓜(1貫匁=3.75kg)
③生姜;(100匁=375g)、しそ(150匁=563g)、ごま(1合)
④調味料;水飴(200匁=750g)又は砂糖(150匁=563g)
⑤食塩;1升5合~2升
<原料の処理法>
①白米は米麹とする。
②大豆は焦げないように炒り、冷やして石臼で二つ割りくらいにひき割り、水に浸し、潰して置く。又は、炒ってすぐ水に入れ、手で揉んで二つ割りにする(皮をとること)。
③白麦は洗って10時間位水につけておく。なお、途中2回ぐらい水を替える。
<加薬の処理法>
茄子、瓜は生のまま二つ割りか大きいものは四つ割りにして1cm位の厚さに刻み、しその葉も細かく刻み各々食塩でもみ、水を除去しておく。生姜も細かく切っておく。なおこれらの処理は麹が出来上がってから行う。
<麦豆麹の製法>
金山寺味噌は、麦豆麹の出来栄えにより、その味が左右されるものであるから、この製麹は良い麹を製するように注意が肝要である。先ず、水浸しておいた大豆と白麦を混合して蒸篭に入れて蒸す。大豆が滑らかな光沢を帯びて軟らかくなった時取り出して器に拡げ、品種温F100度位(37.8℃:体温ぐらい)の時種麹(米もやし)を少量加えてからよく混ぜ合わし、麹箱に1升5合位入れて拡げ、これを棒積みにしておく、麹箱と場所は、室温F85度(29.5℃)位が適当でもあるが、大体金山寺味噌製造は下記であるから何処でもよい。種麹を入れて後4~5時間経過すると麹菌が水分を吸収して繁殖を始めるから、この時麹箱とX形に積み替えて空気の流通をよくする。これを切り積みという。次に切り積みをしてから14~15時間経て、表面に処々菌糸が白く着き始めるから、この時材料を撹拌して一面に拡げ麹箱を十字形に積み替える。これが一番手入れである。一番手入れ後4~5時間すると麹が稍々固まってくるから、この時杓子で大きく塊に起こして麹の間を空気が通るようにして醗酵を適分に品温の余り昇らないようにする。この時に砕くと材料が醗酵し過ぎて粘り気のある糸の引く麹が出来上がるから注意を要する。これを二番手入れという。箱は積み重ねなりで、棚に一枚あて並べるか、または桟積にしておく、二番手入れ後14~15時間経過すると麹が黄色になり、固まってよい香りがしてくるから、この時出して冷却する。
<仕込み>
出来上がった米麹と麦豆麹を大きな浅桶に入れ塩をよく混合し、用意しておいた加薬を混合して揉むようによく撹拌する。こうすると加薬から残りの水分が出て材料が稍々粘ってくる。この時に尚水飴を加えて混ぜ合わせる仕込み桶に堅く詰め込み、味噌の上にハトロン紙か竹の皮を当てて、中蓋をし、重石を置く、この重石は重すぎても軽すぎても不適当で大体仕込みしてから5~6日を経過して上に汁液が上がってくる程度のものがよい。なるべく汁液を捨てない方が良い。多いときは一晩位重石を取り除いて置くと汁液が味噌に吸収されカビが中蓋の上に残るからこれを布できれいに拭き取ればよい。その後は軽い重石を置いて貯蔵しておけばよい。
<味噌の熟成>
金山寺味噌は仕込んでから2か月以上貯蔵しておいて食べるがよい。味噌は醗酵して麹菌やその他の酵母等の分解作用により澱粉が糖分に蛋白質がアミノ酸等に変わり、味と香りと栄養分を持つことになる。
<製麹上、注意を要する事項>
①室温は常に華氏85度に保つこと(29.5℃)
②品温を華氏110度(43.3℃)以上に昇らないようにすること


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