【なれ寿司】
なれ寿司の具は、一般的には「鯖(さば)」を多く使用するが、この近辺では鯖の他に「うぼぜ(別名:しず)」や「太刀魚」も桶などで作るなど、色々なものをお寿司にしていた。
その目的は秋祭りの為に作ったり、また保存食でもある。
一般的な作り方と同じで、塩で〆た鯖を洗い流し、早なれずしの場合はご飯と鯖の間に梅酢などでつけた土生姜をはさみ、「やぶ」や「あせ」でまく。本なれ寿司は、土生姜を別でたべる。
【金山寺味噌】
<材料> 糀 3升 塩250g、ウリ(白瓜)3.75kg、塩205g、土生姜350、塩20g、砂糖 きざら(ざらめ砂糖のこと)2kg、赤しそ(葉にして)250g 塩25g
*塩は赤穂の塩を使い、塩の合計は500gとなる
*1合は130gで計算
<作り方>
①金山寺味噌用糀を依頼する
②前日にウリ(しま・白)3.75kgは立半分に切って、厚さ2~3mmに切り、塩と混ぜておく
③赤紫蘇は葉にして250g 塩25gで塩洗いして、水洗いする
④当日生姜350gをきざみ、塩20gと混ぜる(当日しないと黒くなるから注意)
⑤糀を買ってきたら、すぐに1粒ずつにしよくほぐし、塩250gとまぜる
⑥うりは洗わずに手でしぼる。また、生姜・しその水切りをする。
⑦糀に具(白ウリ・生姜・しそ)と砂糖2kgを混ぜる
⑧壺にナイロン袋を入れ、隅の方からしっかりと詰めていく。そして、空気を抜いて、一日そのままにしておく(重しはしない)
⑨最後に3割くらいの重しをして、虫が入らないようにする
⑩1週間位で水が上がればよい
基本的な出汁を「えそ」でとっているのが、この地域の特徴。
【天草の寒天】
天草のごみをきれいに取り除き、水で洗って網へ干す。日光に良く当てて(5日~6日ほど)、次第に白くなるまで乾かし切る。乾燥させておけば年中保存がきく。
寒天の炊き方:天草50g 、水3升、 酢少々。 約1時間弱火にかけ、布巾でこす。そして、砂糖を400g~500g 蜜少々を容器に流しいれ、冷まして、冷蔵庫へ冷やす。
【フカのゆがき】
フカを湯に入れて、ゼラチン質の場所は
こしつつ、灰色の硬い皮だけをたわしでこそげ落とす(この時 湯がきすぎないこと)。
食べやすい大きさに切って、塩水に入れ、そして冷水へ入れる。 食べるときは、辛
味噌・酢味噌・辛子しょうゆなどで食べる。 年中とれるが、夏が一番おいしいく、ひれの所が美味しい。また、法事ごとでは必ず出るというくらい地元でよく食べる。
【ゴンズイ(うぐ)】
針に毒があり、とげをきっちり取ってから、肝だけのこして内臓を取り味噌だきにして
べる。
【えい】
「えい」は「えぶた」ともいい、腹が黄色い魚である。ジェラチンが多く、砂糖・酒・みん・
醤油で炊いて味付けをしてたべる。
【トウジ】
「トウジ」とは「だいなんウミヘビ」のことであり、「ぼうさんのおび」とも言われている。
これは猟師町の独特の食べ物で、塩漬けにしたり干して骨切りして焼いたりして食
べる。
【ぎんたのなんば漬】
こかぶ、人参、昆布、ぎんた、鷹の爪を酢と砂糖漬けにしたもの。
(ぎんたは酢漬けにして、塩でつけて、干して、頭・尾やひれなどのギザギザなどを取る)。 また「ぎんた」は、ぎんたをミンチにしてホネクにする。ごぼう、卵でつなぎをし、味噌、野菜などで一緒に食べたりする事もある。
【太刀魚のみりん干し(桜干し)】→フグですることもある。
太刀魚を醤油・みりん・酒に2~3日つけ込み。最後にゴマをたっぷりふって干す。そして、それを丼にして食べることもある。 カレイやエソを竹にさして干して一夜干しやカチカチにしたりして、それをたたいて砂糖醤油にして食べたり、てんぷらにして食べることもある。また、トビウオを食べたり出汁にする家もある。
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