わかやま県政ニュース

和歌山県歴史資料アーカイブ和歌山からアメリカへ～移民資料の公開～「岩﨑家文書移民関係資料」（当館寄託）、「堂本家文書貿易資料」（当館所蔵）

連絡先	企画部　企画政策局　文化学術課
担当者	田中
電話	073-441-2050
FAX	--
E-mail

　和歌山県は、海外移住者数全国6位の移民県です。明治18年(1885)のハワイへの移民をはじめとして、戦前・戦後に多くの県民が夢を抱いて海を渡っていきました。
　令和５年10月には、第2回和歌山県人会世界大会が開かれるなど、現在も世界各地へ移民した和歌山県をルーツとする人々との交流が図られています。
　和歌山県立和歌山県立文書館では、「岩﨑家文書」(当館寄託)及び「堂本家文書」(当館所蔵)のうち、移民と貿易に関する資料を公開します(資料内容は下記参照)。
　「岩﨑家文書移民関係資料」及び「堂本家文書貿易資料」からは、アメリカでの移民生活や個人貿易の実態について、一端をうかがい知ることができます。

　◆公開日時：令和６年２月２１日（水）
　◆ＵＲＬ：和歌山県歴史資料アーカイブ
　　https://www.lib.wakayama-c.ed.jp/monjyo/archive/index.html
　◆公開点数：239点（岩﨑家文書移民関係資料236点、堂本家文書貿易資料３点）
　◆時代：明治20年（1887）頃から大正15年（1926）頃
　◆資料内容：
　　岩﨑家文書移民関係資料は、紀三井寺(現和歌山市紀三井寺)の岩﨑家に伝わった古文書です。岩﨑甚四郎(1848～1896)が、明治25年(1892)に紀三井寺村から単身渡米し、同29年（1896）に病没するまでの間、故郷へ送った手紙のほか、紀三井寺村に残った家族に関する資料等236点です。
　　堂本家文書貿易資料は、田中村東大井（現紀の川市東大井）の堂本家に伝わった古文書です。堂本家の長男吉之進が、渡米した次男誉之進、三男兼太郎の求めに応じてアメリカへ送付した植物や柑橘類の種苗、アメリカまでの運送方法や運賃について記された資料３点です。堂本兄弟は、のちに花園業(花き栽培)・貿易業で成功をおさめました。

　　・海外旅券下付願(岩﨑家文書移民関係資料 657)
　　　明治25年(1892)3月21日、岩﨑甚四郎は、大阪府庁あてに旅券(パスポート)発行の申請書を提出し、許可されました。
　　　渡航目的は「農業実験」(農作業従事)、渡航先は「亜米利加国」(アメリカ合衆国)とあります。甚四郎が移民への第一歩を踏み出したことを示す資料です。

　　・〔年賀状〕(岩﨑家文書移民関係資料 809)
　　　岩﨑家文書には、北米へ渡った紀三井寺村出身を中心とする移民者からの手紙やはがきが伝わっています。
　　　手紙の差出人や消印から、移民した人々の氏名や移民先の分布を知ることができます。

　　・米国桑港エ諸苗種類贈ル控(堂本家文書貿易資料 9085-54)
　　　堂本兄弟(誉之進、兼太郎)は、明治17年(1884)に渡米し、のちに花園業(花き栽培)・貿易業で成功しました。左の写真は、明治19年(1886)に和歌山にいた長兄の吉之進から桑港(サンフランシスコ)の弟たちのもとへ送付した植物の種類や数量を記録した資料です。
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　資料のデジタル化は、文化庁「令和5年度文化庁Innovate MUSEUM事業」の補助を受け、和歌山県立近代美術館を中心に移民の歴史についての研究を行う「博物館を中心とした広域連携に基づく和歌山移民史の総合研究発信事業」として実施しました。当館移民資料の公開は、この事業の成果の一つです。